当院の非常勤歯科医師である坂田健一郎が携わった、味覚障害に対する亜鉛補充療法に関する研究論文が、2026年2月および4月に国際学術誌へ掲載されました。
味覚障害は、亜鉛不足が原因となって発症することがあり、適切な亜鉛補充療法によって症状の改善が期待できる場合があります。
今回掲載された2報の論文では、亜鉛欠乏性味覚障害に対する治療薬の有効性や安全性について検討されています。
亜鉛補充薬2剤の有効性と安全性を比較した研究
Comparative study of the efficacy of zinc acetate hydrate and polaprezinc for zinc deficiency taste disorder
本研究では、亜鉛欠乏性味覚障害に対して国内で使用されている2種類の亜鉛補充薬、酢酸亜鉛水和物とポラプレジンクについて、有効性と安全性を比較しました。
北海道大学病院を受診した77例を解析した結果、血清亜鉛値の正常化率は酢酸亜鉛水和物の方が高く、より短期間で亜鉛値を改善しやすい可能性が示されました。
一方、患者さんが自覚する味覚症状の改善率については、両群で大きな差は認められませんでした。この結果から、薬剤の選択には、患者さんそれぞれの症状や病態に応じた判断が重要であることが示唆されました。
論文はこちら
https://doi.org/10.1002/osi2.70039
酢酸亜鉛水和物の治療効果を検討した研究
Effectiveness of Zinc Replacement Therapy With Zinc Acetate Dihydrate in Patients With Taste Disorder Associated With Zinc Deficiency: An Observational Study
本研究では、亜鉛欠乏を伴う味覚障害患者に対する酢酸亜鉛水和物の有効性について、22例を対象に検討しました。
その結果、77%の患者さんで味覚症状の改善が認められ、血清亜鉛値も有意に上昇しました。また、症状が改善するまでの平均期間は44日であり、比較的早い段階から治療効果が期待できる可能性が示されました。
副作用は主に消化器症状で、安全性についても概ね良好な結果が得られています。
論文はこちら
https://doi.org/10.1016/j.ajoms.2026.02.011
坂田歯科医院では、今後も大学病院や専門医療機関との連携を大切にしながら、患者さん一人ひとりの症状に応じた歯科医療の提供に努めてまいります。
味覚の変化や口腔内の違和感など、気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。







