ベーチェット病は原因不明の炎症性疾患でシルクロード沿いの中近東から東アジアに多いとされ、日本では北高南低の分布を示す。
主症状として①口腔・咽頭などの消化管粘膜潰瘍、②ぶどう膜炎などの眼病変、③結節性紅斑などの皮膚病変、④外陰部潰瘍など多彩な症状を呈する原因不明の炎症性疾患であり、診断治療に難渋する症例も散見される。
特に4つの主症状が全てそろった場合を完全型のベーチェット病とし、主症状が3つ以下の場合などは不全型ベーチェット病と定義されている。
口腔潰瘍は口唇・頬粘膜・舌・軟口蓋・咽頭に大アフタ型・小アフタ型・疱疹状の潰瘍を認め、再発を繰り返すのが一般的である。内科や眼科で診断加療されることが多いが、口腔潰瘍はベーチェット病のほぼ全例に認め、歯科医師が再発性アフタの鑑別疾患とし念頭におかなければならない疾患の一つである。 失明などの重篤な障害を残さないため、早期診断が重要であると考えられる。