The Effectiveness of Hyperbaric Oxygen Therapy on Older Patients With Medication-Related Osteonecrosis of the Jaws: A Case Series

The Effectiveness of Hyperbaric Oxygen Therapy on Older Patients With Medication-Related Osteonecrosis of the Jaws: A Case Series | Cureus
上記の Case Seriesが cureus(part of spring nature) よりpublishされました。
(責任著者 非常勤歯科医師 坂田健一郎)

高気圧酸素療法と低侵襲性手術(腐骨除去および皿状形成術)を組み合わせた治療方法です。
以下、日本語に要約したものです。

高気圧酸素療法単独あるいは高気圧酸素療法と低侵襲手術の併用が奏功した高齢者MRONJの3例

【緒言】
薬剤関連顎骨壊死(以下MRONJ)は、悪性腫瘍や骨粗鬆症等の原疾患の治療における骨修飾薬の重篤な副作用であり、世界的にその患者数は増加傾向にある。近年、進行したMRONJ症例において、外科治療の有効性が報告されているが、広範な外科治療に伴う患者の様々な負担が問題となっている。特に、超高齢社会を迎えている本邦において、高齢MRONJ患者に対する外科治療の適応は慎重にならざるを得ない。当科では近年、高気圧酸素療法(Hyperbaric Oxygen Therapy、以下HBO)を活用したMRONJ患者への治療アプローチ法を構築している。今回演者らは、高齢MRONJ患者に、HBO単独あるいはHBOと低侵襲手術の併用療法を施行して、高侵襲手術を回避し臨床的治癒に導けた3例を経験したので報告する。

【症例】
症例1(81歳女性、診断:上下顎骨MRONJ(Stage 3))および症例2(67歳女性、診断:上下顎骨MRONJ(Stage 2))に対して、入院管理下に術前HBO、腐骨除去術ならびに皿状形成術、術後HBOを施行した。症例3(87歳女性、診断:下顎骨MRONJ(Stage 3))に対しては、入院管理下にてHBOを施行し、以後は外来通院下に局所洗浄などの保存治療を実施した。現在、全例において治癒状態が継続している。

【結論】
広範な外科治療の適応となりにくい高齢MRONJ患者においては、HBOが治療選択肢になりうると考えられた。